wquoia’s diary

地下アイドルオタクが感じたことを徒然なるままに書いたブログ

地下アイドルのオタクという趣味 ~推しの卒業を契機に~

自己紹介

あけましておめでとうございます。また、初めまして。

いわゆる地下アイドルのオタクというものを始めて数年経ちます。先日の推しの卒業を経て、いろんな整理をしたいと思いこの記事を書くに至りました。

趣味らしい趣味と言えば地下アイドルのオタクだけ。他にやることは特にない。だけど、なんだかオタクとしての生きづらさも感じるようになり、かといってオタクやめる踏ん切りもつかない。そんな苦悩を書くだけ書いときたい。そんなやつです。

ポエムチックになったり、いきなり硬い感じになったりしますが、お気になさらず。校正も雑ですが。

 

オタク遍歴

オタクするうえで自分の軸となった、いわゆる主現場は3つ。それぞれ番号付けて呼びます。

主現場1

Twitterでたまたま見かけ、かわいさのあまり地下現場に足を踏み入れる。出会いから数ヶ月で推しが卒業。

他界という概念がいまいち理解できず、2推し的ポジションにいたメンバーを推すことに。そのメンバーが卒業したのを機にオタク一時中断。

別メンバーの卒業が迫る中のワンマンライブに顔を出した時に、新メンとして入った子が気になり、そのまま推しへ。1年と少しくらい経ち、そのメンバーも卒業。と同時に主現場1を他界。

 

主現場2

主現場1で推しの卒業が発表されたのを機になんとなく他のグループで推し探しをしていたところ、運命的な出会い()を果たした。ただ地獄の始まりでもあった。

出会いから10ヶ月、推し被りTOとの不和、推しとの衝突を経て他界。

 

主現場3

なんとなく気にはなっていた現場をちらちら見ていたところ、このメンバーいいかなと思っていたところ、推し化。なお数週間後に卒業発表。先日、卒業となり主現場3他界。

 

「推し」という言葉の多義性

「推し」という言葉は多義的であるように思う。メンズのアイドルには疎いが、同義とされがちな「○○担」という言葉とは比較すると意味の範囲が広いと思う。個人的に雑な整理をするとこんな感じ。

 

推し(最狭義):最上級に好き又は推すという感情を持っている人。大抵1人。

推し(狭義):あるグループの中で一番だと思っている人。対バン被ればチェキを回す人。

推し(広義):Twitterをフォローしていて、漠然とライブ中見ている人。チェキを回しはしない。

推し(最広義):なんとなくいいと思っている人

 

主現場を1つ持ちながらも、他のグループのライブ見て、対バン被ればチェキに行く身ゆえの区分のような気もするが、だいたいこんなもん。オタク遍歴で書いていた「推し」は最狭義の推しである。特に指定しない限りは最狭義の意味で推しを使います。

 

この意味でいうと、推しのいる現場=主現場となるかと。

 

推すに至る経緯

自分の中で「推し」ができる過程は大抵決まっている。

 

1.対バンやビラ撒きなどで見つけ顔やスタイルなど外見がストライクゾーンに入ってくる

2.楽しい曲(単に騒げるに限定されない)が多数ある

3.次被ったライブ後、「推し」候補のところへチェキに行き、波長が合う(テンション、言葉遣い等々)、応援したいと思う

4.そのグループに一見して”ヤバい”オタクがいない

5.他のメンバーのTwitterやライブのパフォーマンスを見ていて圧倒的に嫌悪感を抱くメンバーがいない

6.一見して”ヤバい”運営でない

7.多少嫌なメンバー、運営であっても、グループの総和として好きであることに傾くこと

 

ざっくりこのような順番である。これに諸々要素が後で加わることはままあるが、いままでの推し、主現場ができあがる過程をみると、このようになりそう。

 

一番コアにあるのは推しに対する強い気持ちがあること、その周りに配置されているのがオタク、他のメンバー、運営となる。

 

「現場」という環境

地下アイドルはアイドルとファンの距離が近い。近いゆえに分かり過ぎてしまうことがある。一方、近いゆえになんでも分かった気になりやすい。アイドル側としては立場上言えないことが多くあるのは考えれば分かることだが、この意識が欠落しがちである。この意識が落ちて行動に出てしまった時点で厄介と化してしまうことがある(自戒を込めて)。

 

この意識は強く持っていたかった。アイドルにもよるが、積極的にアイドル側の気持ちを発信するアカウントもある。その人個人の考えがすべてのアイドルに通じるものとまでは考えてないが、そう考える人が多いことも事実だろうと思う。地下アイドルのオタクになりたての頃は、Twitterで発信するようなこともなく、基本見る専門だった。そこでオタクの行動、アイドルの抱く感情をなんとなく把握することができて、アイドルに迷惑はかけまいということを根本に置きたいとも思った(半年ROMったに近い状況が達成されたよう)。

 

そんなこともあり、アイドルに対して、言うべきこと、言っていいこと、言ってはいけないことを自分の中で分類するようになった。言うべきことはそんなに数があるわけではないと思われ、素晴らしいや尊いと思ったことなのだろう。

 

言っていいこと、言ってはいけないことはかなり相対的である。アイドルによって異なるし、同じアイドルでも置かれた状況にもよるだろう。Twitterで見かけて気をつけようと一番最初に思ったのは、ライブ告知に対して「行けない」とリプすることである。他にも、推しが他のアイドルと写真を撮ってツイートした時に「○○ちゃん(推し)が一番かわいい」とリプすることなどがあるだろうか。

 

言ってはいけないことは矛盾を孕む

「行けない」「○○ちゃんが一番かわいい」などは、オタク初期の頃、特に考えずTwitterをしていると言ってしまいがちだが、少しだけ受け取る側の気持ちに思いを致せば送るべきでないことは容易に想像がつく。想像を働かせると、もはやそのようなことをツイートしようとは思わなくなる。このような場合は特に問題ない。

 

しかし、自分の中で本心では思っているが、社会的に言うべきでない「言ってはいけないこと」が大きな問題を生んだ。

AKBグループや坂道ではアイドルとの距離が日常生活レベルで遠いためにあまり実感しないことが多いと思うが、地下アイドルはなんせ近い。近すぎる。グループ規模が小さくなればなるほど、オタク1人の占める存在感、重要性が大きくなる。これが悪さをした。

 

「元来、ライブはアイドルが作り上げるものである」と強く思っている。オタクはサブというか楽しみなどを享受している側でしかない。しかし、オタクのコールやMIXなどはライブにおいてそれなりにグループの雰囲気を作っている。これは否めない。となると、「オタクもライブを作っている」となる感覚を抱くし、オタクが少ないと「支えている」という感覚も持つ。

 

自分がステージに立つ側であったとして、オタクが全くいない状況が続いたらと考えるととても恐ろしい。アイドル側からしたらどんなに規模が大きくなろうとも一人一人が大切なのだろう。ぺろりん先生のツイートではないが、「俺がいなくても大丈夫」とはアイドルは思ってないのだろう(少なくとも真面目にアイドルをしている者にとって。この点は後述)。アイドルは、ライブ来てくれてありがとう、盛り上がってくれてありがとうとツイートしていて、同様に思っているのだろう。(オタクがそう思いたいだけなのかもしれないが)

 

「アイドルのために役立っている」感覚は見返りを求める行動を惹起しがちであり、自分自身良くないとは思いつつもこの感覚を持ってしまっていた。アイドルからオタクに与えられるもの、短絡的な考えをしてしまうといいね、リプ返、物販の対応などがある。繋がりは論外。

 

推すと好きは違うという人もいるが、少なくとも重なり合ってる部分は存在していると思う。アイドルとの距離が近くなるほどアイドルからの一番が欲しくなってしまうのが人間の性とでもいおうか。TOを決めたがる雰囲気は象徴している。究極的には、推しが自分を大切に思ってくれてさえいればいいと思っていても、現実には分かりやすい形での一番が欲しいと思ってしまう。

 

「一番が欲しい」とアイドル側に明示することは、社会的に、地下アイドル界での常識と私が思っている範囲では許容されない。運営からリプ返強要をするなと苦言が呈されることからも分かる。社会的に許されない、でも推しの一番が欲しい。厳密に言えば両立が可能だが、冷静でない状況で両立は不可能で一種の矛盾が生まれる。

 

遠回しに言うことも気が引けた。アイドルが特定のオタクにだけいいね、リプをしている、特定のオタクだけ物販の時間が明らかに長い。このようなことがあっても言えなかった。アイドル側に嫌な思いをさせるのは最低だという意識を持っていたから。でも本心では自分にもそれを欲してしまう。

 

「そんなこと露骨にするアイドルはクソだよね」はごもっともだと自分では思ってた。一度推しにした、推すというかもはや好きという感情を抱いていた自分にとっては、他界する選択はなかった。他界したこともなかったし、ベースではオタクに対して平等に接する気持ちを持っていると微かな期待をしていたから。可能性がかなり低いと認識してても信じたいように信じてしまう。

 

アイドルには立場上言えないことがある。特定のオタクへの評価を口にすることはない。Aというオタクの友達BがAの推しのチェキに行き、アイドル側から「Aくんいい人だよ」といわれることぐらいはあるにしても。分からないなら、外部に出る行動から推測するしかない。アイドルがする行動でオタク一般に認識可能な行動は何か、ライブ、物販、Twitterである。物販とTwitterから生じた気持ちが、結局、物販とTwitterでのアイドルの行動からしか推測できない。何も解決してないどころか、物販とTwitterで感じた気持ちが強化されて確信に変わる瞬間である。

 

オタク、運営がかなりひどくても、推しに対する強い気持ちそれ一本で耐えていた。耐えるという表現がおかしいのはともかく、事実そうだった。しかし、推しに対してアイドルとしての姿勢に強い疑問を持ってしまった。その時点で支柱だった推しに対する気持ちがバキッと折れた。オタクと飲むのが楽しくて仕方がないとかいう気持ちを持ち合わせていなかったこともあり、他界を阻むものはもうなくなった。そうして他界した。

 

アイドルに求めるものはなにか?

自分は何をアイドルに求めているのだろうか。オタクは趣味である。たかが趣味である。

 

趣味である以上、楽しさを求めている。かわいいアイドルを応援して声出して振りコピして、アイドルと話せて癒される。人によって評価が異なって当然だが、私はこうだった。

 

一方で、他人の人生にかかわることでもある。アイドルを夢みてアイドルになった人にとってはまさに人生の一部だし、ジャニーズとかでよくある親戚が勝手に応募したからアイドルになったという人でもそれなりの時間をアイドル活動に捧げているはずであり、人生の一部である。変なアイドルを推してそれが楽しいかと言われると否である。真面目に大きくなりたいと思っているアイドルを推したい、目の前の活動に真摯に取り組んでるアイドルを推したい、そう思う。

 

また矛盾が出てくる。大きくなりたいという気持ちは尊重するが、ビラ配りなどの時に過剰にガツガツ来られると必死過ぎて楽しめないという気持ちが出てくる。現実に、それなりにいいと思っていたアイドルの物販にチラチラ行っていたが、「今日は別のところ予約だったんだ~」と言われたことがあった。本人は悪気があったわけでもないだろうし、嫌みたらっしく言う感じでもなかった。もっと来てほしいとライブ告知ツイートで言っている頻度が高かったこともあり、頑張っているなと思っていた。ただ、実際にそのグループの予約で来てないことを指摘されるとかなりしんどかった。楽しみにいっているのになんだかそんなにガツガツしないでほしい、と。

 

違うグループでは、初めて物販に行った際、「ここのグループ、ライブめっちゃ楽しくて、結構見てるんだよね」と話したところ、「私が一番かわいいと思ってくれたの?グループの中で私がタイプだったの?」とアイドルから言われたことがあった。一気に冷めたというかドン引きした。ライブパフォーマンスは二の次なのか?アイドルにとっても物販が重要なのは分かるが、ライブのことよりかわいいとかそっちが優先で気になるのはとても真面目に取り組んでるとは思えない。

 

パフォーマンス重視のグループもある。オタクがコール、MIXを入れる余地がないケースも珍しくない。勝手ながら自分の中ではあまり楽しいとは思えない。

 

かといってオタクと騒いで楽しいグループがあっても、ライブをおよそ見ていないような騒ぎ方で自分が楽しいと思っていたり、口パクでたまに発生する生歌では聞くに堪えないケースは、真面目にやれと思ってしまう。

 

真面目に取り組み、大きくなる気持ちを持っていてもらいたいが、力を入れ過ぎず接してきてほしい。ライブはパフォーマンスがしっかりしていてほしいが、遊ぶ適度な隙がほしい。かなり要求が高いというか、現実的にかなり難しいレベルに達してしまった。

 

真面目な気持ちで取り組んでいるかは分からない

不真面目極まりない一部の場合を除き、アイドル側がどういう思いで活動しているかはオタクからは分かりづらい。見る目がないと言われればそれまでだが、現実問題やる気に問題があると思われる行動が目についても、オタクがたくさんついていることはザラである。

 

活動終了後にTwitterInstagramで発信するアイドルが増えたが、そこで活動中の気持ちを知ることも多い。主現場1の卒業した推しは、一部よくわからない活動をしていたり、定期的に卒業したメンバーとチェキ会を開いているのもいる。アイドルを終えた状態でアイドル活動などをしていないにもかかわらず、チェキ会をまあまあな頻度で開催していて、金稼ぎ程度の気持ちだったのかと思わされたこともあった。

 

他のグループの推し(狭義)にあっては、家庭の事情で辞めた直後にコンカフェでハードに働いているのもいて、真面目に取り組む意思があったと推測するのは厳しいようなこともある。何事も目に見えず苦労していることがあるから、一概に責めることはできないが、純粋な印象としていい印象は抱かない。他にもかなり長期の治療が必要なケガや病気で辞めたにもかかわらず、即別のアイドルとして復帰などもある。事務所がブラックなことも多々あり、これも一概に責められないが、これまでの活動はなんだったんだろうと思うことも少なくない。

 

活動終了後に答え合わせをしているような感覚に陥ってきて、「推す」ことへの恐怖心を抱きつつあり、なんとなくオタクを辞めたくなってきている。

 

アイドルもオタクを選ぶことは可能

話は変わるが、よくアイドルはオタクを選べないと言われる。出禁になるようなことをしない限り、アイドルは来るものを拒むことは原理的にできないため、概ね真だと思う。全くできないかといわれるかとそうではない。

 

オタクが盲目的であると厳しいが、ある程度通常の感性を持っているならば可能だと思う。ライブでも物販でも干すそれだけでいい。オタクが、当該アイドルが自分を好んでないと確信する程度まで干せば可能である。その例が私である、それだけなのだが。

 

主現場2の推しがそれを意図して行っていたのであれば、アイドルから求められなくなったオタクがいなくなったそれだけであり、お互いにとって得でしかない。しかし、意図して行っていなかったのであれば、アイドル側が短期的な報酬を目の前に行動したということであり、思慮浅薄としかいえない。「さよならを言いたかった」などと人伝に耳にしたので、意図していなかったのだろうが、アイドル側の行動をオタクが矯正しようなどという発想は危険極まりないものであるから不可能だし、身勝手極まりない発言というのが正直な感想である。

 

卒業した推しへの気持ち

推しが卒業したというショックはでかい。就活が面前に迫る年齢であったしそれなりに覚悟をして推し始めたが、それでもショックなものはショックである。

 

これから答え合わせが始まってしまうのかという恐怖がないわけではない。

 

活動中、不器用なんだろうなと思う面は多々あった。初めてチェキ行った時は、もう今後はないかもなと思ったのが正直なところ。でも、何回もライブを見ていくうちに、ライブ中は目が離せないし、なによりも魅力的で輝いていた。物販でも、テンションが心地よく、癒しそのもので、応援してあげたいと思う不思議な存在でした。

 

卒業近辺の発言を見ていると、もうアイドルやりませんという感じではないから、就活区切りついたらor留年が決まってしまったらまたやるのかなと希望的観測をしています。なんにせよ、推しが自分の幸せなようになっていってほしいなと切に願います。初詣で自分の願いと一緒にそんなお願いをしたなんて恥ずかしくて言えないですが。

 

卒業の話はまた別で書くかもしれません。だらだら長い気持ち整理ですみませんが読んでくださった方がいれば感謝です。

 

推しが選んだ道でまた輝けますように